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Article: ジムマニアがハードコアに視察した 私的フィットネスジムガイド

ジムマニアがハードコアに視察した 私的フィットネスジムガイド

米国フィットネス視察レポート 〜2022年秋・冬 渡米体験記〜

初めまして。私は東京・埼玉・千葉の3か所でベルジムを経営しているサンベルクスHDの枦山(はしやま)猛と申します。2022年の10月と12月の2回アメリカに渡り、現地のジムを視察・体験してきました。渡米の目的は「コロナ後のアメリカのフィットネスはどうなっているのか」を自分の目で見て体感すること。コロナ前は毎年渡米して最新のフィットネス事情をキャッチしていましたが、2019年以降は行くに行けない状況が続いていました。約4年ぶりのアメリカで感じたことを、おすすめのジム紹介を通じて共有します。
取材・文/枦山猛(ベルジム代表)

POWERHOUSE GYM(ネバダ州ラスベガス)

POWERHOUSE GYM
パワーハウスジム(ネバタ州ラスベガス)
言わずと知れた山岸秀匡さんが運営するジム。マシンのスペックはもちろん極上だが、経営者としての山岸さんのスゴさを随所に垣間見ることができる。個人的には米国内でのジムのポジショニングが素晴らしいと感じた。フィットネスクラブではなく、ボディビルディングジム。面積は目測で200坪程度と決して広くはないが、月会費は高価格帯の約100ドル。ジム、スタジオ、プール、サウナ等なんでもあって月会費10ドルで通える1,000坪クラスの超大型店や、月会費30~50ドルのかつてのゴールドジムとは明らかに異なる土俵で勝負しているように思われた。

壁面には歴代ミスターオリンピアの写真がきれいに並べられており見応えあり。もちろん山岸さんとアイリスさんの写真も。
これまで訪れたアメリカのどのジムよりも整理整頓やクリンネスが行き届いていて、日本人らしい細やかさが反映されたジムであった。整理整頓×クリンネス=使いやすさという側面で差別化できることを再認識した。

METROFLEX GYM(テキサス州アーリントン)


METROFLEX GYM

メトロフレックスジム(テキサス州アーリントン)
ロニー・コールマンやブランチ・ウォーレンなど多くのレジェンドが生まれた伝説的ジム。その存在は日本でもよく知られていると思うが、果たしてその場所がいまでも存在しているのか? グーグルマップで示された住所にジムらしきものは見当たらずさまよっていると、倉庫の一角から大音量のヘビメタと男の叫び声が聞こえてきた。そこにはこれまで体験したどこのジムとも違うハードコアな世界が……。腕に覚えのあるハードトレーニーやコンペティターなら一度は訪れるべき場所だと思う。歴代チャンピオンたちの血と汗を感じながらトレーニングできる唯一無二の空間だ。

ガレージに作ったような雑多な空間にレトロなマシンが並んでいる。キレイさのかけらもない施設だが、利用者は気を遣わずに重りをガンガン投げる。

壁に無骨に付けられているディッピングバー。ここでブランチ・ウォーレンがチェーンを首にかけてトレーニングしていた映像を観たことがある方もいるのでは。フライは本来ベンチがあるべきところに何もない。あえてスタンディング仕様にしているのか?

DESTINATION(テキサス州ダラス)

DESTINATION
ディストネーション(テキサス州ダラス)
IFBB PROアスリートにも愛用者が多いアパレルブランドGASPが運営するジム。CEOミッシェル・ヨハンソン氏の「トレーニングの場はそこにいる皆で作り上げていくもの」という考えのもと、他のジムでは壁にベタベタ貼ってあるジムルールというものは存在しない。ヒト対ヒトのビジネスを重視しているGASPらしいジム。スローガンは“No Excuses”。

他クラブではあまり見かけなかったパーソナルトレーナー紹介のPOPが掲示されていた。こちらは受講希望者がトレーナーへメールで直接アプローチするスタイル。

クラブ内には細かいルールの掲示などなく、お互いをリスペクトすることで使いやすい環境を維持している。ペットを連れてくる人もいれば、ベビーカーで赤ん坊を連れくる人、子供を横で遊ばせながらトレーニングしているパパもいる。自由に使ってはいるが、お互いに失礼のない使い方をしているという環境に大きな衝撃を受けた。「売上や利益は後から付いてくるもの。最優先してはいけない」というミッシェルさんの言葉も印象的だった。

THE GYM SAN DIEGO(カリフォルニア州サンディエゴ)

THE GYM SAN DIEGO
ザ・ジム サンディエゴ店(カリフォルニア州サンディエゴ)
もともとはワールドジムの看板で運営されていたジムで、新旧マシンのラインナップが素晴らしく、昔のゴールドジム ベニスを思い出させるようなボディビルディングジム。コロナ前の2018年にも訪れて衝撃を受けた。コロナによりアメリカでは約2割のジムが永久に閉鎖したと聞いて心配したが、むしろさらにパワーアップしていた。


コロナ前は駐車場だった場所を屋外ジムにリニューアル。屋外とはいえ、マシンはハンマーストレングスやアーセナルなど、日本なら目玉になる一軍レベルのマシンが所狭しと並んでいる。上半身裸でトレーニングしている人も多い。

⑤アパレル商品も充実。壁面には歴代のレジェンドや現役選手の写真が飾ってあるほか、メダルやトロフィーも多数展示してありモチベーションが上がる。サプリメントショップも併設されていて、ハイプロテイン&ローカーボの弁当もその場で食べられる。

THE GYM CHULA VISTA(カリフォルニア州サンディエゴ)

THE GYM CHULA VISTA
ザ・ジム チュラビスタ店(カリフォルニア州サンディエゴ)
2020年にオープンした新店舗。ジム床面積は700坪もあり、サンディエゴの本店にも引けを取らないマシンラインナップ。オーナーのスティーブンさんがボディビルダーということもあり、競技者目線の店づくりは大変参考になる点が多く、日本でもこういうジムを作りたい。

マイボトルキープならぬマイシャフトキープ。自分のシャフトを持ち込みジムで保管。他の人が使えないようにスリーブが施錠されている。このエリアにもトレーニング中のパパを待つ子供たちの姿が。

特別な会員だけが使えるプライベートジムエリア。コンプレッシングセラピーやレッドライトセラピーなどのリカバリーサービスも無料で受けられる。⑤マシンや器具を整備修理するための部屋もあり、マシンの状態は抜群。工具の種類や予備のケーブルの豊富さに驚いた。

最後に ~アメリカ視察を終えて~

アメリカの現在のフィットネス市場は、私が入国前にイメージしていたものとまったく違っていた。まずはコロナに対する利用者の認識。個人の自由を尊重するアメリカらしく、マスクの着用義務はないし、入館時の検温や体調を聞かれたこともない。また、クラブ自体も大変にぎわっていてまるでコロナ前のようだった。もちろん今回ご紹介したのはコロナ禍で市場の約2割が倒産した後に生き残ったクラブなので、適切な戦略を持っていたクラブではあるが。
そして、アメリカのフィットネスビジネス経営者との交流。みなさん信じられないくらいさわやかで、国籍がどこであろうと同じフィットネスを愛する同志として迎え入れてくれた。日本のスポーツ業界で重鎮の方々から受けるような威圧感は微塵もない。クラブ支配人に女性が多いことも驚いた。今回巡回したクラブの半数ぐらいは女性が支配人だった。おすすめしたディストネーションジムも女性が支配人である。現場で対応してくれるスタッフは例外なく第一に「自分がなぜこの仕事を始めたか、このクラブで働いているか」を話してくれたが、フィットネスに対する思いがパートタイムのスタッフにまで浸透していることに、カルチャーの違い以上の差を感じた。
今回ご紹介したジムの共通点は、オーナーがそれぞれの思いと情熱を持ってジムを作っていること。それがチェーン店との大きな違いであり、利用者に選ばれる理由であると強く感じた。我々もこれらのジムのように“血の通った”ジム運営を続けていきたい。

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